最終更新日: 2020-12-09
上半身撮影はバストアップともいわれ「胸より上部」を指しています。オーディションの一次審査に提出するプロフィール写真は、ヘッドショット(顔のアップ)ではなく、胸から上部の「上半身の写真」と指定されています。それは顔だけではなく、デコルテ(首と胸元)、髪型、も審査の対象であることを示しています。このことからオーディションは容姿だけが審査対象ではなく服やメイク等の ” センス ” も重要だと分かります。それを踏まえてバストアップの撮られ方を学び ” ファッションセンス ” との相乗効果を生んで行きましょう。
バストアップ写真の撮り方3選
スタンダード|誰からも支持される撮影法
どのプロダクションにも通用するベーシックな撮影法ながらモデルの特徴を上手に表現できるメリットがあります。その為、オーディション写真、宣材写真、いずれにも利用できます。
上半身を美しく撮影するには ” アングルとモデルの体幹 ” がポイントになります。アングルとはカメラマンから見たモデルの上半身のポジションと体の角度を指しています。
モデルはカメラレンズと目の高さを合わせた対等なポジションで、体を20~30度程度横にひねります。女性はバストとウエストラインが強調され ” 丸みのある女性らしさ ” が表現されます。対して男性は胸筋や肩幅など ” 力強さ ” が表現されます。
服との関係|やりすぎないのが日本人好み
バストとウエストラインを強調するなら体にフィットした「ボディーコンシャスな服」を着ることも出来ます。物理的には間違っていませんが「品を良くする」ならほどほどのフィット感のある服を選択します。オーディションでは体のラインが分かる服装と指定されますが必要以上にタイトにする必要はありません。但しダンサー、バレリーナ等レオタード着用の職業は例外です。ポーズとの関係|正面向きが基本形
体の向きを決める際は「顔と肩幅」のバランスをチェックします。顔と首の長さが肩幅に対して違和感のない(丁度よい)ことが肝心です。体はひねり過ぎない様に正面から両肩が見える範囲とし顔とデコルテのバランスが分かるのが理想です。もし通常より肩幅が広いなら、やや強めに体を斜めにし広すぎる肩幅を是正します。但し体をひねり過ぎると顔が大きく見えることがあるので注意します。
やってはいけないこと細く写りたいからといって携帯のアプリやパソコンのソフトで修正してはいけません。なぜなら無駄だからです。オーディション写真の審査の次には面接審査があり、実際の自分を披露する機会が設けられています。そこで提出したオーディション写真と異なることは致命的です。これは顔を細くしたり、目を大きくすることも含まれます。これらは不正でありオーディション主催者から見ても時間の無駄です。
かといって対策がないわけではありません。細く見えるポーズを学んで正しく自己アピールをしましょう。
かといって対策がないわけではありません。細く見えるポーズを学んで正しく自己アピールをしましょう。
ダイアゴナリ|カメラを斜めに構えて動きを付ける
モデルのポーズは直立のままですがカメラマンがカメラを斜めに構えることで ” 写真に動きをプラス ” 出来ます。モデルが初心者でも、撮影が苦手であっても、自然に動きのある仕上がりに繋がることが可能です。地面に対して垂直に立ったポーズAは「安定感」は生まれますが軽やかさは減少します。モデルが積極的に動的なポージングをするのは難かしケースでカメラマンがカメラを斜めに傾けて軽やかさを演出します。
モデルが動いているように見せるカメラをフリーハンドで持ちモデル動きに代わってカメラマンがカメラを動かす撮影法です。写真は静止画なので構えて撮ると動きはなくなります。集合写真がその典型です。それを回避するために作為的にアンバランスにして軽やかなイメージを創ることが可能です。
モデル自身が体を斜めにしているポージングをカメラアングルを斜めにして撮影すれば動きが2倍になり躍動感は増します。これはスタイリッシュなイメージを追求するケースに向いた撮影法で、体だけでなく顔も左右に動かしバリエーションを創ると良いでしょう。動きのあるモデルを撮影する際は直立のモデルよりも撮影枚数は増える傾向があります。
撮影ミニ知識柔らかい照明で撮影すると「顔のニキビ、目じりの小じわ、ほうれい線、髭剃り後」なとのトラブルを目立たなくすることが出来ます。そを可能にするには ” 大きめの照明を被写体の近くに配置 ” することです。「遠くに配置すると柔らかい光になる」のは誤りです。和らい照明は「若見え」に繋がります。
ストロングパーソナリティー|個性強調
オーディション写真は笑顔が中心ですが、あえて笑顔を拒否することも出来ます。笑顔は幸せを表す表情の為審査には適しています。しかし逆に笑顔を見せないことで想像力をかき立てることが可能です。笑顔をなくすと目の印象が強く残ります。そこで必要なのが ” 目力 ” です。カメラを見つめる眼差しは、そのまま写真を見た人を見つめることになります。つまりカメラの向こう側にいる人を意識して眼差しを創ることメッセージ性の高いプロフィール写真にすることが出来ます。目力といっても睨まれていい気持ちになる人はいないので両者の違いを理解する必要があります。
その時に大切なのは気持ちをしっかりと表情に込めることです。そうすれば無言でありながら印象的な写真に仕上がります。
まとめ
バストアップの指定は下のイラストのように「こんな感じに撮ってね」とイラストで示してあることが多く、細かい指定はあまりありません。だから好きに撮影して送れば問題ありません。但し帽子はダメです。目立つためにはルールを守ったうえで ” 印象的に表現 ” することが重要です。